SoftBank ウインターカップ2025 第78回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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REPORT 現地レポート

【現地レポート⑪】36年ぶりの出場も愛知県内の競争で培った実力を発揮した名古屋経済大学高蔵

2025年12月25日

「SoftBank ウインターカップ2025 令和 7 年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」の大会 3 日目、女子は 3 回戦が行われ、16チームがベスト 8 を目指して熱戦を繰り広げました。

 その16チームを見ると、実に 3 チームが愛知県代表という顔ぶれになりました。そもそも愛知県は、桜花学園が 6 月のブロック大会優勝、そして 8 月のインターハイで決勝進出を果たしたことでウインターカップの出場枠が 3 となったのですが、3 回戦では勝利した桜花学園、そして敗れはしたものの、星城 (愛知②)、名古屋経済大学高蔵 (愛知③) ともに持ち味を発揮しました。

 中でも名経大高蔵は 3 回戦で倉敷翠松 (岡山) と対戦し、終盤までもつれる接戦に。それこそ前半は10点のビハインドを負いましたが、「ボールがちゃんと回るようになって、3 ポイントシュートを思い切って打てるような場面が作れました」(#7 佐藤茜選手) と、後半に入るとジリジリと追い上げを開始。一時は倉敷翠松を捉えることに成功しましたが、最後は決定機を逃さなかった倉敷翠松に振り切られ 48-55 で敗れました。

 今大会の名経大高蔵は 1 回戦で聖カタリナ学園 (愛媛) に 47-45 で競り勝ち。続く 2 回戦では明豊 (大分) に対して第 4 クォーターで逆転勝ち (63-52) と、厳しい試合をものにして勝ち上がってきました。

「愛知県内で勝ち切ることを目標としているので、それが全国でも通用する、県内で勝つことが目標の一つでいいんだということを感じることができました」

 こう振り返ったのは名経大高蔵の福井崇人コーチです。愛知はバスケット王国と呼ばれる都道府県の一つですが、高校女子界には今年のインターハイ覇者でもある桜花学園が君臨します。

 名経大高蔵にとっては桜花学園は県大会で対戦する相手。福井コーチは「エース級の選手がいっぱいいるチームに対してどう守るかなど、すぐ近くにいる上の存在へのアジャストや自分たちができないことに対してできる努力をするようにしています」と言い、桜花学園との対戦が日頃の練習の指針にもなっているようです。

 今年の名経大高蔵は、「サイズがある」ため、インサイドバスケットを強化してきました。「でも、全国だとそれなりに対応されてしまうので、簡単にインサイドで点が取れませんでした。もう少しスキルアップをしなければいけないし、準備不足だと感じるところもありました」と、福井コーチは言います。

 今大会では 1 回戦で得点源の一人である #11 小川詩織選手がケガのアクシデントにも見舞われました。そのため、「どうしても (選手個々の) ドリブルが多くなり、バスケットが重くなってロースコアになってしまいました」と、福井コーチは言います。

 一方で、「守ることを頑張っているので、失点が少ないことは良かったです」と、ディフェンス面に関しては及第点を与えました。だからこそ、「点の取り方は私自身も含めて勉強していかないといけないです」とも福井コーチは自らの課題を発します。

 名経大高蔵はウインターカップは36年ぶりの出場。チームとしては「いろいろな意味ではじめての経験でした」(福井コーチ) が、この先に向けては「愛知県を勝ち切る。桜花学園にも追い付け追い越せで、今度は自分たちで出場枠が取れるように頑張っていきたいです」と指揮官は抱負を語り、会場を後にしました。

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