SoftBank ウインターカップ2025 第78回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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【現地レポート⑧】「昭和学院に来て良かった」――ケガから復帰したエース・石井杏奈

2025年12月24日

 大会 2 日目、「SoftBank ウインターカップ2025 令和 7 年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」女子 2 回戦にて、昭和学院 (千葉①) と東海大学付属福岡 (福岡②) が対戦しました。

 両校ともに夏のインターハイには出場できなかったものの、実力派同士の顔合わせとなった注目の一戦。しかし試合が始まると、序盤から流れが大きく傾きます。東海大学付属福岡は立ち上がりから昭和学院の絶対的司令塔、#4 藤松柚乃選手に対してフェイスガード。藤松選手が「ゾーンディフェンスを想定していたので少し面食らってしまい、自分たちの準備不足が出てしまいました」と振り返るように、昭和学院はオフェンスのリズムをなかなかつかめません。第 1 クォーターを終え、4-20 と大きくリードを許します。

 第 2 クォーターは 15-15 の同点だったものの、昭和学院は後半も第 1 クォーターのビハインドが重くのしかかりました。外角シュートがことごとくリングに弾かれ、第 3 クォーターの得点はわずか 9 点。28-54 とされて迎えた第 4 クォーターには、来年度も見据えて下級生たちをコートに送り出し、3 年生たちはベンチから大きな声を張り上げ、最後まで後輩たちを鼓舞しました。最終スコアは 41-67。失点は60点台に抑えたものの、得点が最後まで伸びずに、完敗となりました。

 試合後、とりわけ悔しさをにじませていたのが 3 年生の #7 石井杏奈選手です。昨年はスタメンとしてインターハイ 3 位の成績に貢献しましたが、今年 1 月に膝の前十字じん帯を痛め、 2 月に手術。約 8 か月におよぶリハビリを乗り越えての復帰でした。その間、チームはインターハイ出場を逃す悔しさも味わいました。

 秋の県予選から復帰を果たした石井選手は、並々ならぬ思いで今大会に臨んでいました。だからこそ、 2 回戦敗退という結果には満足できず、「最後の年、ケガでなかなかみんなと一緒にコートに立てなかったので、最後の冬はみんなで勝ち切りたかったです。先生も期待してくれていたと思うのに、それに応えられず本当に悔しい」と悔し涙が止まりませんでした。

 ただ、うれしさも悔しさも味わってきたこの 3 年間を振り返れば、「昭和に来て良かった」と、そこに後悔はありません。

「昭和学院中に入学してからの中高 6 年間で、自分の弱かったメンタルも少しずつ強くなれた気がします。前まで、うまくいかないと人任せにしてしまうこともありましたが、ケガで長くコートを離れる間、仲間がずっと自分の復帰を待っていてくれて、『自分は必要とされているんだ』『自分がやらなければいけない』と気付くことができました」

 石井選手はバスケットのみならず、「人としても大きく成長できた 6 年間でした」と振り返り、涙をぬぐいます。

 ケガに苦しみながらも強い気持ちで戦い抜いたエースの姿は、必ずや 1 、2 年生の胸に刻まれているはず。特にこの試合、体調不良やケガでコートに立てなかった 1 年生の中澤希乃選手、 2 年生の髙橋優夢選手には、まだ来年度以降も高校のシーズンが残っています。石井選手ら 3 年生がチームに残した強いメンタリティーを、下級生がしっかりと受け継いでくれることでしょう。

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