SoftBank ウインターカップ2025 第78回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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【現地レポート④】開志国際・高橋歩路「エースの“自覚”と、チームを勝たせる“責任”」

2025年12月23日

「SoftBank ウインターカップ2025 令和 7 年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が本日開幕。東京体育館での男子 1 回戦、開志国際 (新潟①) は高山西 (岐阜) と対戦しました。両校ともに今夏のインターハイ出場はかなわず、今年最初で最後の全国大会として負けられない一戦となりました。

 試合前、富樫英樹コーチが「夏もそうだったけれど、今年は本当に不運が多い。お祓いに行ったほうがいいかもしれません」と苦笑いしていたように、開志国際は今大会、ホーキンス然選手、#5 中塚遼人選手、#9 北本慶志選手という主力 3 人をケガや体調不良で欠き、万全とは言えないメンバー構成で大会に臨みました。

 そのため「不安しかなかった」という初戦は、序盤から一進一退の展開。「なかなか走れず、初戦の硬さもあった」と富樫コーチが振り返るように、第 2 クォーター序盤まで思うように引き離せない接戦となりました。しかし中盤からは、激しいディフェンスからブレイクに走り、リードを広げることに成功します。

 その後はベンチメンバーも積極的に起用しながら、試合を優位に進めました。第 4 クォーター残り25秒には、開幕直前にケガを負った北本選手も交代でコートへ。コーナーで待機し、片足立ちで放ったシュートの数々は惜しくも決まりませんでしたが、味方を大いに盛り上げてタイムアップ。88-52 での初戦突破に、富樫コーチも「上出来です」と胸をなで下ろしました。

 主力を欠く苦しい状況でも、チームの良い雰囲気が崩れない理由を問うと、「やっぱり 3 年生ですよ。縁の下の力持ちというか、チームの雰囲気を盛り上げることなど、数字に出ないところをやってくれる」と、富樫コーチは最上級生たちの貢献を強調しました。

 そんな 3 年生に背中を押され、エースとして活躍が期待されるのが 2 年生の #13 高橋歩路選手です。高橋選手自身も「練習でも私生活でも、すごく頼り甲斐のある 3 年生。学年の壁なくバスケットをさせてくれて、何でも言える関係性なので、すごく助かっています」と感謝を表します。

 この試合、高橋選手は27分の出場でチーム最多の18得点。ただ、ターンオーバーやシュートミスも見られ、決して絶好調というわけではありませんでした。「今日は、ウインターカップという独特の雰囲気や緊張感を、まだまだ自分でもつかみ切れないまま試合が終わってしまいました。自分の思うようなプレーはできなかった印象です」と率直に自己評価します。

チームに欠場者が多い今、高橋選手に任される役割も増大しています。「チームを勝たせる、という自分の役割は変わりませんが、やっぱり点やリバウンドを取ってくれる選手が減ってしまったので…。それはチームにとって確かにマイナスかもしれませんが、そのマイナスの分を、自分が埋めたいという意識でいます」とエースの自覚は強まっている様子。

 今年の夏以降、開志国際はチームスローガンに「自覚と責任」というフレーズを加え、それを T シャツにも記しています。「エースの自覚と、チームを勝たせる責任というのは、やっぱり自分が一番あると思うので。富樫先生は『3 年生 (の言葉)』とは言うのですが、本当に今の自分にもぴったりな言葉だと感じています」と高橋選手。

 夏はケガでインターハイ予選を欠場した経験があるだけに、「出られない人の気持ちも少しは分かります」と語ります。エースとして、自らの鬱憤のみならず、出られない仲間の思いもこの大会へぶつける覚悟です。

「明日 1 日空いて、明後日に 2 回戦です。一から気持ちの準備をしっかりし直して、次の試合ではもっとチームを引っ張れるようにしたい」と、次戦への意欲を語っていました。

 

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