SoftBank ウインターカップ2025 第78回 全国高等学校バスケットボール選手権大会


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REPORT 現地レポート

【現地レポート①】 高校バスケの最高到達点へ

2025年12月22日

 今年もウインターカップの季節がやってきました。ウインターカップ――正式名称「SoftBank ウインターカップ2025 令和 7 年度 第78回全国高等学校バスケットボール選手権大会」。全国の予選を勝ち抜いてきた男女各60校が 1 年の、3 年生にとっては 3 年間の努力の総決算として、2025年最後の日本一を目指します。

(開会式で選手宣誓の大役を務めた開志国際高校 キャプテン 北村優太)

 2025年もインターハイやU18日清食品リーグなど、さまざまな大会がおこなわれてきました。しかしウインターカップが開幕する直前の今は、どの出場チームも横一線であり、どのチームにも勝つチャンスがあります。そうは言っても、やはり上記の大会結果を見逃すこともできません。そこでの勝敗が新たな糧となり、個としても、チームとしても、大きな成長を遂げているからです。

 女子は、4 年ぶりに夏のインターハイを制した桜花学園 (愛知) が、ウインターカップも 4 年ぶりの戴冠を目指します。同校を高校バスケット界の “ 女王 ” と呼ばれるまでに育て上げた井上眞一・前コーチが逝去されたのは昨年末。悲しみを乗り越え、前コーチが積み上げてきたウインターカップ (春の選抜大会を含む) の優勝回数を25回に伸ばすことができるでしょうか。

 もちろん前回大会の覇者であり、U18日清食品トップリーグの優勝チームでもある京都精華学園 (京都) も、過去に桜花学園しか成し遂げていない大会 4 連覇を目指してきます。インターハイではベスト 8 で敗退しているだけに、ウインターカップにかける思いも強いでしょう。

(女子前年度優勝:京都精華学園高校)

 そこに、創部 3 年目にしてインターハイ準優勝の日本航空北海道 (北海道) や、同ベスト 4 の精華女子 (福岡)、U18日清食品トップリーグ 2 位でもある岐阜女子 (岐阜) が虎視眈々と頂点を狙います。加えて、インターハイの 3 回戦で敗れた前回準優勝の慶誠 (熊本) や、大阪薫英女学院 (大阪)、聖和学園 (宮城)、そして地元・東京の八雲学園がどのようにくさびを打ち込んでくるかにも注目したいところです。

 初出場校は、酒田南 (山形)、八王子学園八王子 (東京)、福井工業大学附属福井 (福井)、立正大学湘南 (島根)、比治山女子 (広島)、明徳義塾 (高知)、瓊浦 (長崎)の 7 校。八王子学園八王子や明徳義塾は男子が10回以上出場し、すでに勝利もあげていますが、女子もここから男子に続きたいところです。

 男子は、夏のインターハイを制した鳥取城北 (鳥取) が冬の頂点も狙います。昨年度のウインターカップでも準優勝と、その勝ち上がり方を経験している意味は大きいと言えます。昨冬の悔しさと今夏の歓喜を融合させ、今大会でそれを昇華させられるでしょうか。

 前回大会の覇者であり、今秋のU18日清食品トップリーグの優勝チームでもある福岡大学附属大濠 (福岡) は、むろん大会連覇を狙います。ウインターカップの大会連覇はこれまで 6 校だけ。そこに福岡大学附属大濠は入っていません。今冬の頂点に立つことは同校として初の、ウインターカップだけでなく、全国大会での連覇となります。
「受けに回ることなく、どんな相手に対しても自分たちの “ 土俵 ” でバスケットができれば、チャンスはあると思っています」
 チームを率いて15年。その間に 4 度の日本一に導いた片峯聡太コーチは、連覇への鍵をそう語ります。

(男子前年度優勝:福岡大学附属大濠高校)

 ここに、インターハイの準優勝チームである八王子学園八王子 (東京) や、同ベスト 4 の仙台大学附属明成 (宮城)、北陸 (福井)、U18日清食品トップリーグ 2 位の東山 (京都) がいかに絡んでくるか。インターハイを逃した福岡第一 (福岡) と開志国際 (新潟) の動向も気になるところです。
 初出場校は、山梨学院 (山梨) と米子松蔭、県立米子東 (いずれも鳥取)、そして帝京第五 (愛媛) の 4 校。初出場・初勝利はなるでしょうか。また初出場ではありませんが、最も長いブランクがある県立八千代 (千葉) は21年ぶりの出場です。当時のチームは 3 回戦まで勝ち上がっています。その再現、あるいは当時を超えることはできるでしょうか。

 あるコーチは、たとえ 3 年ぶりの出場であっても「初出場のようなものです。ウインターカップならではの独特の雰囲気のなかで、選手たちがいつもどおりプレーできるかが心配です」と語ります。

 連覇、勝敗、出場回数、会場の雰囲気……さまざまな思いが去来し、交わるウインターカップ。それでもなお、現時点では、出場するすべてのチームに日本一のチャンスがあります。しかし高校生の彼ら、彼女らにとって、今はまだ人生の “ 第 1 クォーター ” にすぎません。ゲーム同様、第 1 クォーターの入り方は重要です。いきなり走られることなく、しかし先ばかりを見すぎることもなく、高校バスケの最高到達点へ――すべては明日の 1 回戦から始まります。

(果たして今季の栄冠はどのチームに? / 出場全チームによる集合写真:開会式にて)

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